動物スポーツメディスン科動物スポーツメディスン科

股関節疾患について

股関節形成不全

股関節形成不全とは?

成長過程で股関節(寛骨と大腿骨)の発育異常が生じ、股関節に緩みが引き起こされる疾患です。
ラブラドール、ゴールデン、バーニーズ、シェパード、ニューファンドランドなどの大型〜超大型犬に多く発生がみられます。
多くは4ヶ月〜1歳齢頃に股関節形成不全による症状を呈します。

どのような原因?

おもに遺伝的要因によるものと考えられていますが、それに環境的要因が重なって発症します。
環境的要因とは、成長期の食餌(カロリー過剰による肥満)やカルシウムの過剰摂取、生活環境、激しい運動などです。大型犬や超大型犬の成長期に、急速に成長する骨格に筋肉の成長が追いつかず骨と筋肉の不均衡が生じることで股関節に緩みが引き起こされると考えられています。

  • 散歩や運動することを嫌がるようになる。
  • 段差を嫌がる。
  • 立ち上がるのに時間がかかる。
  • 腰を左右に大きく振りながら歩く。(モンローウォーク)
  • 横座りをする。
  • ウサギのように両後肢を一緒に動かして走る。
治療法は?
1. 若齢期恥骨結合固定術JPS (Juvenile Pubic Symphysiodesis )

12〜18週齢で可能な手術。恥骨結合を電気的に焼灼することで骨の成長を停止させ、骨盤の形状を変化させます。 避妊手術・去勢手術と同時におこなうことも可能です。

2. DPO(Double Pelvic Osteotomy), TPO(Triple Pelvic Osteotomy)

二点骨盤骨切り術、三点骨盤骨切り術。
6カ月齢〜12カ月齢までの症例で有効な手術。腸骨・恥骨の二点もしくは腸骨・恥骨・坐骨の三点に骨切りをおこない、大腿骨頭の背側を覆う部分を拡大できるよう腸骨を外側へ回転させる術式です。

3. THR(Total Hip Replacement) 全股関節置換術
4. FHO(Femoral Head Osteotomy) 骨頭切除術

大腿骨頭を切除することで、寛骨臼と軟骨が損傷した大腿骨頭の直接的な接触をなくし痛みを取り除く方法です。
何らかの原因でその他THR・DPO・TPOの手術ができない場合、保存的療法に反応しない場合、救済的な手術としておこないます。
骨頭を切除した関節周囲に線維性偽関節が形成されるまで、不安定になるため、患肢を着地し負重するようになるまである程度の期間を要します。
歩様が改善されるまで、リハビリテーションをおこないながらサポートをいたします。

レッグペルテス(無菌性大腿骨頭壊死症)

レッグペルテスとは?

ヨークシャテリア・トイプードル・チワワ等の小型犬種に好発する疾患です。
膝蓋骨内方脱臼の好発犬種と類似しており、併発していることもよくあります。
膝蓋骨脱臼に気づかれていても、レッグペルテスは気づかれていないこともあります。
後肢の跛行が成長期に起こる場合には要注意です。
早期発見早期治療が重要です。

治療法は?
1. THR(Total Hip Replacement) 全股関節置換術
2. FHO(Femoral Head Osteotomy) 骨頭切除術

股関節脱臼

股関節脱臼とは?

大腿骨頭をうける側の寛骨臼と大腿骨頭の間にある円靭帯が断裂し、股関節の関節包が破れることで、大腿骨が寛骨臼から逸脱します。

原因は?

股関節形成不全によるものと、交通事故や高い所から飛び降りるなどの外傷によるものがあります。

どのような症状?

股関節脱臼を起こした側のみの全く負重を認めない跛行(患肢の挙上)を呈します。

治療法は?

脱臼した原因により治療は異なりますが、以下の方法があります。

1. THR(Total Hip Replacement) 全股関節置換術
2. ノーレス法
3. FHO(Femoral Head Osteotomy) 骨頭切除術
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