動物スポーツメディスン科動物スポーツメディスン科

脛骨粗面前進化術について

脛骨粗面前進化術 TTA (Tibial Tuberosity Advancement)

股関節形成不全 TTA (Tibial Tuberosity Advancement) とは?

前十字靭帯が断裂し不安定性が生じた膝関節を安定化させる手術です。脛骨稜を骨切りし、術前計画に基づいた距離の脛骨粗面前進化をおこなうことにより前十字靭帯にかかる箭断力を中和させます。
その結果、膝関節が安定化します。現在のところ7~8kgの中型犬から大型犬・超大型犬で安定した成績が得られています。
前十字靭帯の断裂を早期に診断し、よりよい機能回復をえるために、関節鏡検査とこのTTAを組み合わせ全十字靭帯断裂症例の治療をおこないます。

なぜTTAなのか?

そのほかに、関節外制動法を用いた治療もありますが、当院では金額的に許容していただける限り中型犬から大型犬・超大型犬の前十字靭帯断裂の治療にはTTAをおこないます(症例によってはTTAが適応にならない場合もあります)。
その理由は、関節外制動法に比較して術後の機能回復が早い(着地するまでの期間が短い)こと、長期的な予後が良いことにあります。
関節外制動法は手術によって術後の膝関節の動きに制限が加わってしまいますが、TTAの場合、そのような制限は加わらず正常な範囲で膝関節を可動させることができます。
TTA同様に骨切りをおこなうことで前十字靭帯にかかる箭断力を中和させる手技として、TPLOがあります。TPLOの場合、骨切りをおこなう脛骨の部位がTTAとは異なるため、大腿骨と脛骨の接触面における位置関係が変わってしまいます。
一方、TTAではこのような位置関係は変わらないため関節への負荷が少ないと考えています。
このような理由から当院ではTTA選択し、中型犬から大型犬・超大型犬の前十字靭帯断裂の治療をおこなっています。
また、TTAのインプラントはTTA開発者の会社であるスイス・KYON社製のTibial Tuberosity Advancement用インプラントです。
その他後発の安価なインプラントもありますが、KYON社製インプラントのみを用いています。
KYON社によるTTAを実施した症例における膨大な数の回顧的調査を下に適宜インプラントの改良が加えられる点、TTAの主義を確立した開発者によって作られたインプラントであるという安全性、これらの観点から当院ではKYON社製のTibial Tuberosity Advancement用インプラントを用いています。また、日本においてこのTTAインプラントのみ薬事法の認可を受けています。このようなことから、TTAは当院における整形外科手術のうち高額な部類の手術になっています。

前十字靱帯断裂 Cranial Cruciate Ligament Ruptureとは?

前十字靱帯完全断裂

あらゆる年齢で起こります。
大型犬ではラブラドール・バーニーズ・ロットワイラー・ゴールデン・ニューファンドランド、中型犬ではコーギー・ビーグル・柴・雑種、小型犬ではチワワ・ヨークシャテリア・マルチーズ等で好発します。
後肢の跛行や挙上がみられます。
膝関節の安定化を担っている前十字靱帯が断裂することにより、膝関節の不安定性が発現します。
断裂した前十字靱帯の断端から炎症性のメディエーターが生じるため、膝関節の関節炎が起こります。
また膝関節不安定性により二次的に半月板損傷が引き起こされます。
これらが前十字靱帯断裂時の痛みの原因になっています。

物理的な不安定性から生じている問題ですので、特に大型犬・中型犬では内科的管理は効果的ではありません。
外科的に膝関節を安定化させる必要があります。
長期的にみても外科的安定化をおこなうことで一度オンセットされた関節炎の進行も最低限ですむと考えられています。
また、関節炎が進行する前、半月板が損傷を受ける前、完全断裂に至る前の部分断裂の時点で診断し、早期に治療することが早い機能回復およびよりよい予後につながります。
それには関節鏡検査とTTAを組み合わせての治療が有効になります。

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