腫瘍科担当獣医師の西戸です。
10月に1週間ほど休み、患者様にはご迷惑をおかけいたしました。
その1週間はACVSというアメリカの外科の学会に参加してきました。
場所はテキサス州のサンアントニオという町で、メキシコとアメリカの国境近くにあります。
中心部には水路があり、ボートに乗って周遊する観光に人気があります。
学会の会場はその水路をはさんだコンベンションセンターという大きな建物です。
学会の初日は外科の実習に参加しました。
実習内容はステントの設置術です。
今回は気管と尿道に対するステントの設置を勉強してきましたが、その他のいろいろな場所に応用できます。
例えば食道だとか、血管にも設置することが可能です。
ステントって何?と思われた方がいらっしゃると思いますので、少し説明します。
気管や尿道の病気にかかるとその中を尿や空気が通過しにくくなりますよね。
気管の病気では咳が出たり、ひどくなれば呼吸困難になるケースもあります。
尿道の病気ではおしっこがでにくくなり、体調が悪くなります。
このような病気に対して、通過の障害を改善させるのがステントです。
設置には麻酔が必要ですが、皮膚を切る手術は通常必要ではありません。
講師の先生は世界的に有名なDr. Chick Weisse (チック ワイズ先生)です。
実際の実習風景です。奥にいるDr.Chick Weisseが手前の先生にステントの設置を教えているところです。
学会の実習では実際使用するの機材や器具を用いますので、非常にわかりやすく本当に勉強になりました。
2日目から4日目は様々な講演が行われました。
整形外科や軟部外科、合併症などのシンポジウムもあり、少し日本とは違ったなんというかアメリカ独特の雰囲気で行われていました。
シンポジウムの節目で必ずといっていいほど会場に笑いがあるんですよね。
アメリカンジョークを真剣なシンポジウムにはさんでくるんですよ。
プレゼンテーションでいかに笑いをとるかという、お笑い的な技術も必要みたいです。
今回の学会参加でやはり、世界レベルの外科医が何をしているのか、何を考えているのか本当に勉強になりました。
どんどん海外の学会に参加して新しい治療法などをファーブルにもとりいれていけたらと思っています。
アメリカンジョークの勉強もしないといけませんね。
腫瘍科担当獣医師 西戸