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ファーブル日記

2014/7/11

日本獣医がん学会

腫瘍科の西戸です。

 

先日、がん学会に行ってきました。

今まで関東での開催は神奈川県の麻布大学で行われていたのですが、今回は東京駅のすぐ近くにある東京コンベンションセンターという場所で、非常にアクセスがよく、新しい施設で快適でした。

 

がん学会では文字通りいわゆる「がん」について日本中の有名な先生方が集まり、様々な議論が交わされます。

この学会はずっと参加していましたが、同じ腫瘍でもどんどん新しい考え方や治療がでてきており、10年前とは全然違った方向性のものもあります。

 

特に今回のメインテーマである高分化型リンパ腫に関しても同じことが言えるのではないかと思います。

リンパ腫はご存知の飼い主様も多いと思いますが、高分化型って何?と思われた方もいるのではないでしょうか。

リンパ腫は悪性腫瘍としての位置づけですが、高分化型リンパ腫はその中でも進行が緩徐であると言われています。

さらに、状況によっては無治療で経過を観察してもよい腫瘍であることが最近になってわかってきたのです。

 

この「緩徐」と「無治療で経過を観察」というところから、私たち臨床医が戸惑ってしまうケースが多くあります。

今回の症例検討でも高分化型リンパ腫の治療するタイミングについて議論されました。

東京大学の先生方が治療タイミングのガイドラインを作成しましたが、やはり私たち臨床医の主観などで幅がでてきているのが現状です。

私なりの考え方をもっていますが、すごく難しいなと感じました。

 

ここ数年で同じ腫瘍の名前でもさらに分類され、その個々で治療が異なる。

研究が進み、腫瘍に対する考え方や治療がどんどん複雑になってきていますね。

 

これからも新しい考え方や治療を飼い主様へ提供できるよう、こころがけていこうと思います。

 

腫瘍科担当獣医師 西戸