こんにちは!動物スポーツメディスン科獣医師の寺前です。
今日は、当院にしばらく入院していた秋田犬の女の子『一花(ひな)ちゃん』をご紹介します。
耳の後ろのふわふわした毛が何とも愛くるしいですね♪
一花ちゃんはまだ11か月齢なのですが、股関節が緩く(股関節形成不全)、その治療として2点骨盤骨切り術(DPO)を行いました。
この手術は成長期に限って実施できるものであり、骨盤を切って回転させることで股関節を安定化します。
従来一花ちゃんの年齢であれば、3点骨盤骨切り術(TPO)が行われてきました。基本的な原理は同じですが、DPO ではTPOに比べて坐骨を切りません。したがって合併症のリスクが少なくなる(過矯正・骨盤狭小化が起こりにくい、術後の疼痛が少ないなど)ことから、当院ではDPOを導入しています。
ただ、今回はこの手術の適応年齢ギリギリであり、坐骨を一部切開することにはなりましたが、無事終了しました。
手術前のレントゲン
手術直後のレントゲン
あまり変化がないように見えると思いますが、これから2~3週間もするとしっかり大腿骨頭が寛骨臼に収まるようになります。
術後は疼痛も少なく翌日から私たちに愛想を振りまいてくれて一安心、無事退院となりました。
9日間も入院していたので、退院時ご家族との対面時には大喜びで大変でした!!
頑張ったね、一花ちゃん♪
切った骨が癒合するまではまだまだ時間がかかるので、お家での安静がんばって下さいね。
今回のように股関節の手術には年齢の制限がある(成長期を過ぎるとできない)手術もあり、早期発見が必要となります。重症度等によりすぐには診断がつかない場合もありますが、歩き方が気になるなどの症状がある方、お気軽にご相談ください。
動物スポーツメディスン科獣医師 寺前