先日、親戚の法事に行ってきました。
法事の最後にお坊さんからのお話がありますよね。
個人的にそのお話、仏教についてあまり知らないので聞いてしまうんです。
でも普段考えないだけで、おかしな話では全くなく何かすごく考えさせられるんです。
その時は「4つの恩」についてのお話でした。
4つの恩とは父母の恩、師の恩、食べ物の恩、環境の恩だそうです。
この話を聞いているときにふと考えたことは師の恩についてでした。
師とは学校の先生だけでなく、教えてもらうすべての人をさすそうです。みなさんも、そういう方がいらっしゃると思います。
私はそのとき四人の先生が頭に浮かびました。私の人生を変えてくれた先生です。
一人目の先生は小学校四年間も担任をしていただいたI先生です。
当時は本当に厳しかったことを覚えていますが、よく両手でたたかれていました。
ひどい時は同じ組の生徒の2/3くらいが先生の前にならんでたたかれていました。
でも今考えればそれでよかったと思っています。
今の時代、生徒に対する暴力が話題になることが多いですが、程度によりますがそういう厳しさも時に必要ではないかと個人的には考えています。
そんな教育があったからこそ、私の学業の土台となり今も勉強しているんですよね。
二人目の先生は中学校の塾のO塾長です。
今、こんな形で教えている先生はほとんどいないと思いますが、木の棒で教卓をたたくその音でリズムよく答えさせるというスパルタ授業でした。
俗にいう古今東西みたいな感じです。
考える時間などありません。反射ででてくる言葉が答えでなければ試験に通らないと教わりました。
その木の棒、教卓のたたき過ぎでボロボロ。いつもガムテープで補強されていました。
そんな厳しい塾長から教わった勉強法で高校に入学でき、獣医大学の難関試験にも合格できたのだと確信しています。
三人目の先生は今のファーブルの山口先生です。
私がファーブルに入った頃、右も左もわからない、動物の扱いもわからない獣医師でした。
獣医師としての最初の3年は人の役にたてない。3年いや5年やって初めて人に認められ、役にたてると教わりました。
役にたつとは何なのか、今考えるとできる獣医師になるとかではなく、飼い主様や動物たちに満足していただける治療を提供すること。
その真の答えは今もなお導き出せていませんが、その道に導いてくれたのは山口先生です。
四人目の先生は麻布大学腫瘍科のS先生です。
そこも本当に厳しい環境でしたが研修医がみんな笑っているんですよね。入った時、本当に不思議でした。
腫瘍科を出るとき、その不思議さはなくなるんですよ。自分も笑っていました。
そこでできた仕事に満足感や充実感があるんです。
そんな仕事環境を作るって本当にすごい先生です。
ファーブルもそういう環境をつくっていければと思っています。
みなさんも師について一度考えてみてはいかがでしょうか?
腫瘍科担当獣医師 西戸