ファーブル動物医療センター

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ファーブル日記

2013/12/31

アクセル君

こんにちは! 動物スポーツメディスン科 獣医師の寺前です。

 

今日は、元気いっぱいボーダーコリーの男の子『アクセルくん』をご紹介します。

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病院に来ると緊張してしまうシャイな一面もありますが、

アジリティーで活躍する本格派アスリートです。

 

当院には、右の前肢をかばうことが多くなったため来院されました。

 

原因は上腕骨の離断性骨軟骨症(OCDでした。

これは肩のレントゲン写真ですが、見えるでしょうか? 赤矢印の部分が凹んでいます。

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OCDは、軟骨内の骨化異常により軟骨に亀裂や骨片が生じる疾患です。内科的治療が有効である場合もありますが、症状が改善しない場合には外科的骨片の摘出が適応となります。

 

関節にカメラを入れる『関節鏡』という検査を行うと軟骨が剥がれているのがはっきりとわかります。赤矢印で示したラインが剥がれている部分です。

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離断した大きな骨片を摘出し、病変部の治癒を促す処置を施して手術は終わり。

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手術後、すぐにでも走り始めようとするアクセルくんでしたが、その気持ちをなんとか抑えていただき、大好きなお母さんと2人5脚☆で安静とリハビリ頑張ってきました!

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その甲斐あって経過も良く、当院での治療は無事終了。

今後は少しずつ運動量を増やしていただき、アジリティー再開を目指します!

今までよく頑張ったね!!

 

 

アクセルちゃんのOCDは外傷によるものではありませんが、アジリティーをされている子は整形外科的疾患の発生率が高いと感じます。

 

アジリティーをはじめとするドッグスポーツは、わんちゃんとオーナー様がともに楽しみながら過ごせるとても良い機会だと思っています。

 

ただ、怪我をする子も多いのは事実ですし、若いうちから整形外科的疾患をもっている子は意外と多いものです。

まずは準備運動!そして運動後の関節のケア!予防が大切です。

 

それでも怪我病気になってしまったら…病気によってはスポーツの継続が難しいものもありますが、アクセルくんのように、手術をしたりうまくつき合いながら復帰を目指せる場合もあります。

 

スポーツ前の準備運動、クールダウンの方法などの簡単なリハビリ相談も受け付けておりますので、これからスポーツを始めようと考えておられる方、また既に楽しんでおられる方も、気になるところがありましたらお気軽にご相談ください。

 

 

動物スポーツメディスン科 獣医師 寺前