はじめまして、動物スポーツメディスン科の看護師黒岩です。
今回はリハビリ通院中のミニチュア・ダックスフントのチョコくん7歳をご紹介したいと思います。
かわいいですね^^
チョコくんは11月中旬に椎間板ヘルニアを発症し後肢を全く動かせない状態で、片側椎弓切除術という神経を圧迫している椎間板物質を取り除く手術を受けました。術後は入院中毎日リハビリを行い、退院後もお家と通院でのリハビリを続けていただいています。
院内でのリハビリは主に水中トレッドミルを使い、行っています。
水中トレッドミルとは、水を張った水槽の中で床のベルトを動かして歩行する装置です。
陸で立つことが出来ない子でも、水中では浮力によって立位を保ちやすくなります。そしてベルトを動かして、後肢を自転車を漕ぐように動かして補助してあげることで歩行の仕方を再学習させる効果があります。また水圧は血液循環を促進する効果があり、水の抵抗を受けながら歩くことで筋力強化に役立ちます。
チョコくんははじめのうちは腰を一瞬浮かせたり、後肢を交互に前に引きながら進むものの引きずっている状態でした。
術後2週間の抜糸後から水中トレッドミルなどでのリハビリを開始し、徐々に前に進む時の腰を上げられる位置が高くなり、腰を上げて保てるようになっていきました。
↓腰の位置が上がっています。
続いて水中歩行の様子です。
はじめは後肢を返して歩けませんでしたが…
↓今では水中では引きずることなく歩くことが出来ています。
そして術後4週間経つと陸でも数歩歩行できるようになりました。
次回来院される時にはまた少し歩くのが上手になったチョコくんに会えるのではないかと楽しみにしています^^
ここまで回復できたのは、飼い主様やチョコくんがお家や通院でのリハビリを頑張っていただけたからだと思っています。
ワンちゃんは自分でリハビリできないので、飼い主様の協力が大変重要になります。
手術を行っても状態によっては自力歩行できるまで回復することが難しい場合もありますが、早期から適切な内容を継続して行うことでより早い回復を促します。
水中トレッドミルでの歩行は神経疾患以外でも、関節炎で関節に痛みがある場合や、減量目的でも行うことができます。※心臓や呼吸器の疾患がある場合などにはできない事があります。
水中以外にも行うことのできるリハビリは様々ありますので、リハビリに関して気になることがありましたらお気軽にご相談くださいね。
ワンちゃんネコちゃんや飼い主様がお互いに快適に生活できるよう、少しでもお役に立てたらと思っています。
動物スポーツメディスン科看護師 黒岩